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微花

 雑誌から絵本に生まれ変わる その言葉がとても良くて・・思いきってお声がけして届いた微花。お花を追いかけてたら一年が終わる、と笑い合ったときを思い出した。名前を知ることでいつもの道が格段に色を増す喜び、名前を知ることで言葉になってしまう寂しさ。両方抱えて生きてく。

 うちには、祖父からもらったランがある。イチョウがある。曾祖母が育てていた庭桜もある。百合もある…その土からは、かつて幼いころに目にしていたコケやシダや草々が生えてきて、さながら小さな庭のよう。植物はなんでも聞いていて、そのDNAは脈々と受け継がれているらしい。寡黙でおとなしくて小さかった曾祖母のぐちも 聞いていたんだろうか、覚えているんだろうか。なんてことを思ったのは、梨木さんの「沼地のある森を抜けて」を読んだときだった。

 昨年の冬、実家から彼岸花を掘り起こして持って帰ってきた。眠っている球根、、りはただの土に水をあげつづけて、秋。突然、芽がすっくと出てきたかと思うと、そのままにょきにょきまっすぐ伸び続け、ほんとうにお彼岸の頃に花を咲かせたのだ。驚くべきはその後で、花が枯れた後に葉っぱがわさわさ出てきて、そのまま二度目の冬を越し、最近ようやく枯れ始めたところ、、。こんなに緑の期間が長いなんてね。


“咲かなかったのは、誰にとってもひとしなみの境遇ではなく、ごまかしようのない私の無力だとさらにさとった”
”より見えた、と思ったときから、より見える、より見える、と見ていくうちに、いつからか、名ざせるものばかりを名ざして、他が見えなくなっていたのか。”
微花 1/春

”人生とは、解決すべき問題ではなく、味わうべき神秘なのだ。とは、キルケゴールの言葉だった。”
”ひと駅の寸暇に読める言葉に、世界は一変する。”
微花 1./秋





by geroken | 2019-04-26 18:56 | 日記