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文芸誌「ぽかん」

 「ぽかん」という文藝誌(文芸リトルプレスと紹介されていて李もする)をお取り扱いできることになった。いつも、こんなに小さな書店でいいんだろうかとか、まだまだちっとも売れないのにとか、思ってばかりで、実際お声がけするときには逡巡しすぎて2、3カ月時が流れていたりする。
 ちいさな文藝誌は、思っていたよりもずっとたくましくて、それぞれの文章が力強く、すっくり立っていた。
 自分の体験と入れ替わり立ち替わりしながら読み進める。こうして追体験できるところが本の面白さでもあるけれど、と同時に、これはその人だから、その人が己の時間を積み上げてきたからこそ成し得た体験なんだとも思う。こんなふうに残せる筆力に圧倒される。
 片山玲子さんを恥ずかしながら存じ上げなかったのだけど(ほんとうに知らないことばかりで)、ボルヘスの文を何度も書いていたというくだりに、ちょっと泣きそうになる。前野健太さん、、今度愛媛に来られる、、そこから「冬の本」も読み返し、いい文章だなぁと思って、前野さんだけ読むつもりが、結局いくつか読み耽ってしまう。田尻さん、ここにも寄稿されてたのか、取り上げているのはユベール・マンガレリ。あ、これは、私も古本屋さんで勧められて読んだなぁ、どこだっけ、ユベールマンガレリ、、っとなったところで、お客さん。いけない、そうだ、「ぽかん」に文章を添えて陳列させるんだった。

by geroken | 2018-10-09 19:12 | 日記